クレジットカードの海外旅行保険(海外旅行傷害保険)について詳しく知る

最終更新日:2017/09/15
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海外旅行の記事で、クレジットカードには海外旅行保険(海外旅行傷害保険)が付帯していることをお伝えしました。

どんなクレジットカードに、どんな旅行保険が付帯しているのでしょうか。そしてどのような条件下であれば、保険が適応されるのでしょうか。

ここでクレジットカード付帯の保険について、詳しく見ていきましょう。

クレジットカードの海外旅行傷害保険の基本を理解する

まずは、クレジットカードに付帯している海外旅行保険の基本を理解しましょう。

クレジットカードには、様々なサービスが付帯しています。
そのうちのひとつが、海外旅行保険(海外旅行傷害保険)。すべてのクレジットカードに付帯しているわけではなく、付帯しているクレジットカードもあれば、していないクレジットカードもありますので、まずは「海外旅行保険が付帯しているか・付帯していないか」の確認が必要になります。

海外旅行保険が付帯している場合、「利用付帯か・自動付帯か」を確認します。

  • 自動付帯

クレジットカード利用の有無にかかわらず、対象のクレジットカード会員であれば、保険が自動的についている場合です。

  • 利用付帯

対象のクレジットカードで旅行代金(その一部でも可)を支払った場合に補償される場合です。

主な海外旅行保険の内容

海外旅行保険の基本を理解したところで、具体的な保険の内容についてみていきましょう。
クレジットカードによって、付帯している保険内容は異なりますので、しっかり確認するようにしましょう。

傷害死亡

旅行期間中の事故によるケガによって死亡した場合に支払われる。

傷害後遺障害

旅行期間中の事故によるケガによって後遺障害が発生した場合に支払われる。

傷害治療費用

旅行期間中のケガの治療費用を補償してくれます。

疾病治療費用

旅行期間中の病気の治療費用を補償してくれます。

賠償責任

旅行期間中に、他人や他人の持ち物に損害を与えてしまった、他人にケガをさせてしまい賠償が発生した場合に、その費用を補償します。

携行品損害費用

旅行期間中に、対象者の持ち物が盗難に遭う・壊れる・火災などに遭った場合に、その金額を補償してくれます。

救援者費用

旅行期間中に事故に遭い家族が現地に駆けつけた際の費用を補償。

以下のようなケースは、補償対象外

・故意の過失
・自殺行為や犯罪、闘争行為、戦争
・無資格運転や酒気帯び運転など、明らかに本人に過失がある場合

航空便遅延に関連した保険も充実

航空便遅延に関連した保険が充実したクレジットカードもあります。
以下は、T&E(トラベル&エンターテイメント)カードの最高峰といわれるアメリカン・エキスプレス・ゴールドカードの航空系の保険内容になります。

ほかのクレジットカードにはない、実に手厚いサービス満載の保険内容となっています。

年会費:29,000円(税別)

★最大1億円の海外旅行保険だけでなく、航空便遅延に関連した保険も充実。もしもの際に安心と快適を約束してくれるクレジットカード。

航空便遅延費用補償

乗換遅延費用

到着便が遅延し、搭乗する予定だった航空便に搭乗することができず、到着便の実際の到着時刻から4時間以内に代替便に搭乗することができなかった場合、宿泊費や食事代を最大2万円まで補償。

出航遅延、結構、搭乗不能費用

搭乗予定だった航空便が予定時刻から4時間以上の遅延や欠航などで搭乗することができず、さらに出航予定時刻から4時間以内に代替便に搭乗できなかった場合、食事代を最大2万円まで補償。

受託手荷物遅延

航空便が目的地に到着してから6時間以内に、航空会社に受託した手荷物が目的地に届かなかった場合、目的地にて負担した衣類や生活必需品の購入費用を最大2万円まで補償。

受託手荷物紛失

航空便が目的地に到着してから48時間以内に、受託した手荷物が目的地に届かなかった場合、手荷物は「紛失」とみなされ、到着後96時間以内に目的地にて負担した衣類や生活必需品の購入費用を4万円まで補償。

年会費無料で、海外旅行保険が付帯したカードはある?

年会費無料でありながら、海外旅行保険がクレジットカードはあるのでしょうか。

――あります。

ポイント還元率が常時1%、楽天市場では2%にアップする、元祖高還元カードとして有名な楽天カードですが、実は補償額最高2,000万円の海外旅行保険が付帯しています。

年会費:永年無料

★実は海外旅行保険が最大2,000万円付帯。年会費無料・高還元でありながら海外旅行保険も充実のクレジットカード。

ただ、気をつけてほしいのは、「最高2,000万円」の補償内容に関して、です。
詳しく補償内容を見てみると…

(傷害)死亡後遺障害 2,000万円
傷害治療費用 200万円
疾病治療費用 200万円
賠償責任 最高2,000万円
携行品損害 最高20万円(免責金額3,000円)
救援者費用 最高200万円

死亡後遺障害と賠償責任に関しては最高2,000万円が補償されますが、それ以外は20万円~200万円となっています。

何があるかわからない旅行、しかも海外となれば、現地で事故やケガに遭った際の治療費などを補償してくれる傷害治療費用や、所有物が盗まれたり壊れてしまったりした場合にその金額を補償してくれる携行品損害の面で少し不安が残りますね。

日本人旅行者として、渡航先の医療費事情を把握し、保険には必ず入っていくこと

日本国内であれば、健康保険証を見せれば医療費の負担は3割で済みますが、海外の場合、ほとんどの場所で医療費は全額自己負担しなれければなりません。
それだけでなく、日本の医療費は他国と比べて安く抑えられています。

「ケガに遭ったって大した金額じゃないだろうから、保険なんてなくても大丈夫!」と甘く考えていると、万が一ケガした際に大金を支払う羽目にはってしまいます。

トリップアドバイザーがプロデュースするTRIPGRAPHICSによると、アメリカやカナダ、オーストラリアやロシアは、救急車も有料になっています。

日本と同じ感覚でいると、後々「大金が請求された!」となりかねません。保険には必ず加入していくようにしましょう。

—-海外旅行で支払われた保険の例—-

損保ジャパン日本興亜の海外旅行保険【off!(オフ)】のページより、実際に海外旅行で事故に遭って支払われた保険の例をいくつか挙げてみましょう。
(出典元:保険金のお支払い事例:病気・ケガにあわれた場合 | 保険金のお支払い事例 | 新・海外旅行保険【off!(オフ)】 | 損保ジャパン日本興亜)

○アメリカで交通事故
友人の運転する車が道路を外れてスピン、右手骨折し、5日間入院
支払い金額:2,291,236円

○アメリカで溺れて意識不明
海水浴中に溺れて意識を失いICUへ。1ヶ月入院、看護し付き添いのもとプライベートジェット機で日本まで搬送
支払い金額:15,000,000円

○中国で交通事故に遭う
乗っていた路線バスにトラックが衝突、足を骨折。2度転院し、転院先で手術を受ける。事故発生から17日後、看護師付き添いのもと帰国
支払い金額:6,664,543円

海外旅行保険が付帯しているクレジットカードを複数持っていた場合、合算して請求はできるのか?

クレジットカードを2枚、あるいは複数枚持っていて、どちらのクレジットカードにも海外旅行保険が付帯していた場合、それぞれのクレジットカードに保険を申請し、合算して補償してもらうことはできるのでしょうか。

死亡・後遺障害に関しては、もっとも高い保険金額が支払われますが、それ以外に関しては、実際の損害額を限度額として、それぞれのクレジットカードの海外旅行保険から補償金額が支払われます

つまり、死亡・後遺障害を除く保険に関しては、合算が可能です。

年会費無料のクレジットカードで、海外旅行保険が付帯している場合、それ1枚ですべてをカバーするのは難しいですが、万が一の際に合算して金額を請求できるメリットはあります。

家族の保険もカバーしてくれる「家族特約」とは

クレジットカードに付帯している海外旅行保険は、同行した家族の事故やケガも補償してくれるのでしょうか。
多くのクレジットカードは、会員のみ補償し、家族の分まではカバーしていません。

しかし、家族特約が付帯しているクレジットカードもあります。

家族特約とは、保険対象者をクレジットカード会員とその家族(配偶者、子供)に限定する特約です。

つまり、クレジットカード保持者だけでなく、配偶者と子供にも保険が適応されることになります。

ほとんどのクレジットカードが配偶者と子供を家族特約の対象としていますが、家族特約対象とされる子供の年齢などの条件がクレジットカードによって異なります

さらに、アメリカン・エキスプレス・ゴールドカードであれば配偶者と子供に加えて本会員と生計をともにする両親、MUFGカードであれば義両親も含む両親も家族特約の対象となります。

年会費:10,000円(税抜き)

★家族特約は配偶者や子供、両親だけでなく義両親までカバーしてくれるから、旅行でも安心を約束してくれる。

18歳以下の子供の海外旅行保険をクレジットカードで補うのであれば、家族特約が必須

クレジットカードの入会条件として、18歳以上であることが挙げられます(ただし、高校生は除く)。

18歳以上であれば、自分で海外旅行保険付きのクレジットカードを持つことが可能ですが、18歳未満で、クレジットカードについている海外旅行保険を利用する場合は、家族特約がついているクレジットカードのみ、対応可能です。

年会費:29,000円(税別)

★海外旅行保険はカード会員の家族の分(カード会員の家族、家族カード会員いずれも)も補償してくれるから、安心。

家族特約は「家族カード」とは別

家族特約は、クレジットカード本会員と生計を共にする家族に発行可能な「家族カード」に付帯している保険ではありません。

家族カードは、原則として18歳以上のクレジットカード本会員と生計を共にする家族に追加で発行されるカードです。本カード(本会員のクレジットカード)に付帯している保険は、家族カードにも適応されます。

家族特約は、追加でカードを発行する必要はありません。クレジットカード本会員の保険で、家族の分の保険もカバーされます。

実際の海外旅行保険とのスペック比較

出張や旅行でよく海外に行く方であれば、海外に行く度に海外旅行保険に入るというのもなかなか手間ですので、クレジットカードに海外旅行保険が付帯しているのがベストですよね。

実際の海外旅行保険とクレジットカードに付帯している海外旅行保険、そのスペックに差はないのか、比較してみました。

楽天カード アメリカン・エキスプレス・ゴールドカード(会員本人) 海外旅行保険AIU タイプN11・インフィニティプラン インターネット専用プラン・保険期間31日まで
年会費 0円 年会費29,000円(+消費税) 保険料21,450円(期間31日まで)
(傷害)死亡後遺障害 最高2,000万円 最高1億円 最高3,000万円
傷害治療費用 最高200万円 最高300万円 無制限※
疾病治療費用 最高200万円 最高300万円 無制限※
賠償責任 最高2,000万円 最高4,000万円 最高1億円(/1事故あたり)
携行品損害 最高20万円(免責金額3,000円) 1旅行中最高50万円 30万円
救援者費用 最高200万円 保険期間中最高400万円 無制限

※不制限とは、治療・救援者費用補償特約の保険金額を無制限とすることであり、治療・救援費用を終身補償するものではない

比較チャートからわかること

  • 年会費無料のクレジットカードに付帯している海外旅行保険だけでは、事故やケガ、盗難にあった際の金額全額を負担できない可能性が高い。
  • 保険会社の保険プランと、クレジットカードの年会費がそこまで大きくかわらず、なおかつ毎年海外へ行く方であれば、ほかのサービスを考えてもクレジットカードのほうがお得な可能性が高い。
  • ※クレジットカードによってスペックには差があります。目安としてください。

    学生には、年会費無料で海外旅行保険が付帯している学生専用ライフカードがおすすめ

    年会費が高額になるクレジットカードには海外旅行保険が付帯する傾向にありますが、では、お金がない学生さんはどうでしょうか。

    学生専用ライフカードには、最大補償額2,000万円の海外旅行保険が自動付帯しています。
    このクレジットカードの保険だけでは若干心許ない保険内容ですが、年会費無料・ほかにも海外旅行でお得になる付帯サービスがあるので、1枚持っているとお得です。

    年会費:永年無料

    ★最高2,000万円の海外旅行保険が自動付帯!ほかにも、海外での利用でキャッシュバックなどお得な特典が満載。

    まとめ:クレジットカードに付帯している海外旅行保険は、ほかのサービスの充実度や年会費とも相談しながら決めるのがベター

    クレジットカードに付帯している海外旅行保険についてみてきましたが、いかがだったでしょうか。

    内容を見ていくと、十分な保険内容が付帯しているクレジットカードもあります。ただし、このようなカードの場合年会費が発生してくるので、通常の海外旅行保険とどちらがお得かというのは、海外旅行に行く頻度や滞在期間によっても異なってきます。

    ただ、ひとついえるのは、クレジットカードに付帯しているサービスは海外旅行保険だけではありません。

    たとえば、文中で紹介したアメリカン・エキスプレス・ゴールドカードは、海外旅行保険の充実度もさることながら、海外のホテルやレストランで割引優待を受けられたり、コンシェルジュ・サービスがついていたりと、海外へ行くことが多い方にはうれしい他のサービスも充実しています。こういった点も踏まえながら、検討してみることをおすすめします。

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